ステイ / Stay – ボウイ訳詞

ステイ / Stay - デヴィッド・ボウイ詩篇集成

ステイ / Stay

[原詞はdavidbowie.com掲載分より]

This week dragged past me so slowly
The days fell on their knees
Maybe I’ll take something to help me
Hope someone takes after me

だらしなく今週も通り過ぎてって
毎日跪くしかないって感じ
おそらくあれに手を出してしまうね
こんなのが他にもいると思いたいよ

I guess there’s always some change in the weather
This time I know we could get it together
If I did casually mention tonight
That would be crazy tonight

天気ってのは常にうつろうもの
それだし、いっしょにやれると思うんだ
今夜何気なく伝えたら
ホントにたまんないだろうな

Stay, that’s what I meant to say or do something
But what I never say is stay this time
I really meant it so badly this time
Cause you can never really tell when somebody
Wants something you want too

そばにいてほしい
ただそれだけ、他に何かあるかな
なんて、絶対に言えないんだけどね
立場ないなって感じだし
君も本心は口にしないけど
こうしたいってのは、やっぱりあるよね

Heartwrecker, heartwrecker make me delight
Life is so vague when it brings someone new
This time tomorrow I’ll know what to do
I know it’s happened to you

はぁとれっかぁ、はぁとれっかぁ、気分を削ぐんだもの
別の誰かがやって来ても曖昧にしておくよ
明日の今ごろは、さてどうするべきか
君もやっちゃったんだものね

Stay, that’s what I mean to say or do something
But what I never say is stay this time
I really meant it so badly this time
Cause you can never really tell
When somebody wants so much to stay

そばにいてほしい
ただそれだけ、他に何かあるかな
なんて、絶対に言えないんだけどね
立場ないなって感じだし
君も本心は口にしないけど
そばにいてほしいって思うよね

That’s what I meant to say or do something
But what I never say is stay this time
I really meant it so badly this time
Cause you can never really tell
When somebody wants something you want, too

ただそれだけ、他に何かあるかな
なんて、絶対に言えないんだけどね
立場ないなって感じだし
君も本心は口にしないけど
こうしたいってのは、やっぱりあるよね

訳詞にあたって

「はて、世の中とはいったい何からできているんだろう?」。そんな疑問を投げかけてきそうな退屈男風の解釈を与えてみましたが、ボウイはこの詞を書いているときからメロディにのせる言葉、つまり状況や経過といった筋書きめいた歌詞に有用性を見出せなくなっていたのでは、と考えました。『Low』はボウイにとって何も言うことがないアルバムとされてきたけれど、じつはすでに『Station To Station』のほうこそ深刻だったのでは、という新説もここで唱えておきたいと思います。

”そばにいてほしい”その人とはだれなのか。当時の妻アンジーあるいはそのときの浮気相手かと考えるのは無難と言わざるを得ません。ボウイはそこまで単純だとは思えないのです。スター然とした振る舞いを好むボウイならば、ここでは別離が決まったマネージメントの親玉トニー・デフリーズを恋人に設定し手向けの歌としたかもしれないと考えてみるのはいかがでしょうか。「本当はデフリーズなど顔も見たくない。だけどそうだ、裁判で争って二度と会うこともないんだ。よしっ、これで僕は自由だ」。